昨日、発表会2023が開催されました。午前中にホールの入口を飾りながらお迎えしました。開演前から始まったリハーサルでは、いつもの雰囲気と違う、とても素敵な本番衣装に着飾っている生徒さん達に会えました。リハーサル終了後は本番前の集合写真撮影へ。
ピアノはメンタルがとても影響して、舞台ではなかなか普段練習している通りには弾けないものです。
そのようにお伝えすると、発表会でピアノを弾く事って怖いものなんだなと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ホールでしか学べない事はたくさんあります。
曲を決めた後はまず毎週のレッスンで基礎となる土台を作り、少しずつ仕上げに向けて呼吸(エッセンス)を入れながら曲を磨いていきます。呼吸こそ個性。その生徒さんでしか出せない唯一の音楽。ここまでは普段進めているレッスンと変わりません。
そこから先、発表会に向けて弾くには自分を信じる為に自信を付けていかないといけません。メンタルの強化です!自分を励ます、頑張っている自分を認める、その為の日々の練習。
そのような過程を経て本番を迎えます。
本番では緊張したり、集中力を突然欠いてしまったり何が起こるか分からないのもの。本番で100%実力を出すのは、私も含めて無理なことです。人間なので、ミスする事は当たり前なのです。
大切なことは前に進むこと、音をすみずみまで聴くこと。ホールでしか聴けない音は確かに存在します。
もちろん何ヶ月もかけて曲を仕上げてきたので、フレーズごとに完成された形を皆さんは知っています。その完成形のフレーズ同士をつなぎ合わせて、最強の自分の演奏をイメージしています。
しかし、本番でその頑張ってきた最強の自分の演奏が全て披露される事は、極めて稀な事なのです。レッスンで一つ一つ学んできたフレーズごとのたくさんの引き出しを、少しずつ引き出す事が出来るのであれば、それで良いのですよ。絶対に聴いている人に伝わっています。細かいミスにとらわれず先に進む、そして曲を弾き切る…その経験が自分の演奏を育ててくれるのです!
発表会では1人の欠席者も出すことなく、1人として途中で曲を弾くことを投げ出す生徒さんは居ませんでした。私は皆さんに心から拍手します。
人前で演奏するのってドキドキしたし大変だったことでしょう。
しかし、同じ空間をたくさんの人達と共有する事を皆さんは立派にやり遂げました!ソロで演奏して、引き続き第2部では連弾もあって2ステージ、本当に良く頑張りました!!
実はリハーサルから本番終わるまで、皆さんの頑張りの過程を思い出し、私はずっと泣きたくなる感情を必死に抑えておりました。
最後のフィナーレ(カーテンコール)で私はピアノを弾きながら、スポットライトを浴びて客席を見渡す皆さんの後ろ姿がとても誇らしく見えました!!私の愛おしい生徒さん達の、忘れられない特別な景色…。
一緒に本番用の曲に取り組む事を頑張れて、とても充実した期間でした。
また、客席がとても静かだったことは、舞台袖で感じておりました。
生徒さん達の弟さんや妹さん、中には赤ちゃんなど小さなお子様もいっぱいいらっしゃったはずです。保護者の皆様が演奏を聴くマナーを教えてくださっていたのですね。
将来クラシックコンサートを聴ける年になると、息も潜めるほどの静寂となり、音にならない音すら聴こうとするものです。
発表会を通しそのように静かに演奏を見守ってくださったこと、ご来場くださった全ての皆様が長時間に渡りマナーを守ってくださったことに、主催者として深く感謝申し上げます。
どうもありがとうございました。
【2023.2.20】